Taro is here!
ところで、カバー率は、前回は
「隣とぶつからない扇形を並べたときに全体を覆う割合」
と定義しましたが、
「n本の線が出ている状態で、最も近い2本の成す角が、1周の 1/n の何倍か」
と言い表すこともできます。
前回は、植物が「光をできるだけ多く受けられるように」という観点でそう定義したのですが、こう言い換えると、単純に、「2辺をできるだけ離す」と言っているにすぎません。
また、これと逆に、
「n本の線が出ている状態で、隣り合う2辺の最も離れたものの成す角が、1周の 1/n の何倍か」
というのも定義できます。
これは、「できるだけ隙間の空きすぎた部分ができないように」という観点の定式化です。先ほどの赤い線で示したグラフになる配置は、この観点でも良い配置となります。
バランスよく1本ずつ追加していく配置
- 最も離れた角の間に新しい線を引く
- 新しい線によって分けられた2つの角度は、最小と最小から2番目の大きさになる
分け方の詳細
何かに応用できないだろうか?
この順番にピザを切ったらどうか?
とも考えたのですが、そうしたいシチュエーションが想像できませんでした・・・。
円形のものには限らないので、羊羹でもいいのですが、やっぱりどこで使えるのかわかりません。
「円形の島の王国があります。
大航海時代が始まり、防衛の必要性を感じた王様は、見張り台と砲台を島の周囲に建設するよう命じました。
しかし、いっぺんに何個も作ることはできないので、造るのは1つずつです。
また、建設には2~3ヶ月かかる上に、来期の予算が本当に下りるかどうかはわかりません。
なので、最終的に4つ作ったところでストップするかもしれないし、10個になるかもしれません。
最初から10個作ると決まっていれば、島の周囲を10等分するように配置するのですが、決まっていないのでそうはいきません。
何個作ったところで建設が終わっても、警備の手薄な場所や砲台が固まって配置された場所ができないようにするには、島の周囲のどの場所に、どのような順番で造っていくのがいいでしょうか?」
普通に考えると、1つ作ったら2つ目はその正反対の側に造りたくなります。
そうしたら3つ目と4つ目は、そのちょうど間に。
こうすると、4つまでで例えば東西南北に1つずつできるわけです。
ただ、ここでもし次の建設ができなくなってしまったら、
「こんなことなら正五角形になるような位置に造っておけばよかった」
となるわけです。
また、
「敵は最も手薄な場所を狙ってくる」
としたら、
5つ作るのも6つ作るのも7つ作るのも警備の手薄さで言ったら変わりません。
4つ作ったら、もう後4つ作らないと意味がないのです。
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数学科出身のソフトウェアエンジニアです。タローと呼ばれています。
RICOH THETAや、Google Photo Sphere で撮影できる、全天球パノラマ写真の球面印刷のサービスをやっています。
球面プリントサービス
あと、写真やイラストを切り絵にするサービスも。
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黄金比を使ってロゴデザインをしてみよう
これで準備は完了です。
実際に作ってみよう
これが完成図です。曲線部分だけでなく、空白にも取り入れました。
ロゴデザインに黄金比を取り入れる方法
①曲線を調整する
②全体のレイアウトに使う
③空白の調整に使う
要素間の間隔など空白の大きさを調整するために用いた例です。
いかがでしたか?
美しいとされる比率には他にも白銀比や青銅比などありますが、今回は中でも一番有名である黄金比をピックアップし、実際のロゴデザインへの取り入れ方を紹介してみました。
ロゴデザインをしていく上では様々な制約があるので、必ずしもこのような比率を用いることがベストというわけではないかもしれません。しかし、最終工程として全体の調和を保つために取り入れることで、より美しいデザインに仕上げることができるのではないでしょうか。
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